木の軸が紡ぐ大空間、新時代のクリニック

温もり溢れるデザインで未来の医療空間を創造

田中良明による「Wooden Axis Large Roof」は、医療と建築の新たな関係性を提示します。ここでは、内科、整形外科、薬局が一体となった明るい雰囲気の医療空間が生まれました。

このプロジェクトは、都市の中心と郊外を結ぶ幹線道路沿いに位置しており、南側には将来拡張が予定されている都市計画道路があります。TSCアーキテクツは、単なる商業的な道路サービス建築とは一線を画す、木の温もりと患者を優しく迎え入れる空間の創出を意識しました。三つの建物は、「すのこ」をデザインコードとして連携し、統一感をもたらしています。

外装のスキンと開口部は、軸組の外側に設定され、ブレースなどの構造部分に開口部を設けることで、連続する窓や段差のある窓を生み出し、透明感のある木構造を実現しました。外装に使用される「すのこ壁」は、通気性が良く、従来の木製外壁よりも速く乾き、耐久性に優れています。

診療所と薬局のデザインコードは「すのこ壁」で統一され、内部デザインとして木製フレームワークが温かみのある歓迎の治療空間を作り出しています。天井までの大きな開口部は、優しい自然光に照らされた快適な空間を創出します。

このプロジェクトの研究では、一つの敷地に整形外科、内科クリニック、薬局を建設することを目的としました。TSCアーキテクツは、木の温もりと患者への優しい歓迎を意識し、商業的な道路サービス建築とは異なる空間の創出を目指しました。統一されたデザインコードを持つ三つの建物は、地域社会の医療ハブとしての町並みを形成します。

設計上の課題として、木の明るく温かみのある感覚を建物に持たせるため、内部に木製フレームワークが美しく表れるように構造を検証し、梁の配置を決定しました。梁が露出した天井は、外の景色へと目を誘います。また、構造の外側に大開口の外装サッシを設置することで、透明感のある木構造を創出することも考慮しました。

このデザインは、2024年にA'アーキテクチャー、ビルディングアンドストラクチャーデザインアワードでシルバーを受賞しました。シルバーA'デザインアワードは、卓越した専門性と革新性を示すトップクラスの創造的で専門的に優れたデザインに与えられます。これらのデザインは、強力な技術的特性と素晴らしい芸術的技術で称賛され、卓越したレベルの優秀さを示し、ポジティブな感情、驚き、そして驚嘆を引き起こします。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Yoshiaki Tanaka
画像クレジット: Image #1: Photographer ToLoLo studio Image #2: Photographer ToLoLo studio Image #3: Photographer ToLoLo studio Image #4: Photographer ToLoLo studio Image #5: Photographer ToLoLo studio
プロジェクトチームのメンバー: Yoshiaki Tanaka
プロジェクト名: Wooden Axis Large Roof
プロジェクトのクライアント: TSC Architects


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